平成女性アイドル史(メジャーシーン)をざっと振り返ってみる。

平成一桁前半はアイドル冬の時代。フジテレビの番組との連動のアイドルグループやその出身アーティスト、ヤングジャパン系(アップフロントの源流)のWINKや森高千里さんらのアーティスト性の強いガールポップに勢いがあった時代。

その後CDが爆発的に売れる時代に入った頃に沖縄アクターズスクール出身のグループがたくさん出てくる(安室さんやMAX、SPEED、知念里奈さん等多数)。ただこの頃のアイドルは所謂ガールポップとの棲み分けは曖昧で、その境界を論じると不毛になりそうなのでやめておく(笑) 小室プロデュース、伊秩プロデュースとプロデューサーの名前が大きくなったのもこの時代。

その曖昧な棲み分けの中で開催されていたのがテレビ東京のオーディション番組『ASAYAN』。ロックボーカリストを選出する中で生まれたのがモーニング娘。で、小室オーディションからは鈴木亜美さんが見出された。

当初はモーニング娘。もアーティスト指向を強く残していたが平成11年の『LOVEマシーン』のヒットで多人数アイドルグループとしての存在を確立。同年の鈴木亜美さんのブレイクもあって昭和とは違う「アイドル」のイメージが出来上がっていったように思う。同年には宇多田ヒカルさんと浜崎あゆみさんも大ブレイクをしており、アーティストとの棲み分けもはっきりしたのではないだろうか。

エイベックスも平成11年にはDreamを生み出すオーディションを開催し(倖田來未さんらも輩出)、3人組をアーティスト色の強い形で送り出したが、数年後には増員し8人組でアイドル性の強い活動に移行している。

その後数年はモーニング娘。(とハロプロ)の時代。音楽業界で最もCDが売れた時代(平成10年前後)もあって、勢いのまま続々と派生ユニット、グループをデビューさせた。ソロでは松浦亜弥もブレイクを果たす。傍らではZONEやBOYSTYLE、Folder5といったグループも活躍したが数年で活動休止をしている。

BOYSTYLEと共にアミューズでアイドル活動していたPerfumeがアーティスト性の強い方向でブレイクしたのはモーニング娘。の反動だろうか? Perfumeはアクターズスクール広島出身で基礎力もあり、アミューズ所属のアイドルたちの中では一番若かったのが却ってモーニング娘。全盛期と被らずに良かったのかもしれない。

平成20年に前後してAKB48が台頭すると共に「アイドル戦国時代」と言われる時代になっていく。
AKB48は立ち上げにモーニング娘。初期に関わったスタッフたちが多数参加。立ち上げ当初は苦戦したが平成20年にレコード会社を移籍後良曲(『大声ダイヤモンド』『言い訳Maybe』等)に立て続けに恵まれ大ブレイクに至った。

ブレイク後のCDの売り方(所謂握手会商法)には賛否両論あるが、一つ「功」を挙げるなら売り上げを見込めるアイドル業界にCD不況に喘ぐ多数の音楽関係者(プロデューサーやアーティスト等含め)が入ったことによって楽曲のクオリティが底上げされたことだろうか。

ただアイドル戦国時代とは言いつつもメジャーシーンではAKBグループが席捲。アイドリング!!!やぱすぽ☆、SUPER☆GiRLSといったグループが活躍するもののAKBの牙城は崩せなかった。

平成20年半ばを過ぎた頃に放送されていたテレビ朝日『アイドルお宝くじ』という番組では多数のアイドルグループが毎週歌って競っていたがその番組も平成29年に終了、多くのグループもその後解散や活動休止した。「アイドル戦国時代」とは何だったのか、そこはまた別に掘り下げる必要があるだろう。

AKBグループからブレイク期のメンバーたちが多数卒業後に台頭したのが同系列の乃木坂46や欅坂46。これもきっかけは当時の楽曲の良さであったと思っているので、やはりCDであろうとストリーミングであろうと楽曲は大事だと痛感させられる。乃木坂46もブレイク期のメンバーたちは卒業しつつあるので今後難しい運営を迫られるのかもしれないが、比較的世代交代は上手くいっているように見える。

平成最後に現れたのがLittle Glee Monster。彼女たちはアイドルとは違うと思うがメンバーの多くはアクターズスクールの出身。そんな彼女たちがブレイクしつつあるのを見て、アクターズスクール系とオーディション系のブレイクは交互に来るのか?などと考えている。

もちろんブレイクしたから凄いとか売れないからダメと言ってるわけではなく、あくまでも全体としての流れを個人的に振り返っているだけなのでお気を悪くなさらずに。むしろ埋もれてしまっている楽曲を知りたい派なので(笑)、まあまだまだ勉強しなければと。

ガールポップ史やガールズバンド史なんかも振り返ってみたいが、さすがに30年一括りでは無理かなと。どちらも初期は昭和に掛かる。

そういう意味では「昭和的なアイドル」と明確に区別できる(冬の時代で分断されているとも言える)平成アイドル史というのは論じやすいのかもしれない。



P.S. 個人的にはアーティストとアイドルの境界を論じるのは無意味かなと思っています。その辺は御本人たちの気持ちの在り方の問題もあるし。ただ現実は「アーティスト」と「アイドル」、それぞれのイメージは個人個人で固まっているのかなと思います。

「アイドル」という括りの無い国だと総じて「アーティスト」として評価されますが、個人的にはそれもどうなかと思っているので、けっきょくは曖昧なままでいくのが楽しく優しいのではないかなと。