「忘れません」と心に刻むために、
ウチのサイトにはいくつかの思い出や日付けが刻まれています。

タンポポ編集部OH-SO-ROの公式サイトが閉鎖されるまで
ずっとそのトップページにありつづけた
「アリーナに満開になったタンポポ、忘れません」の言葉。
このサイトも編集部の精神を受け継ぎその言葉をトップに残し続け今に至っています。

そんな思い出の中に一枚の写真がこのサイトに眠っています。
2001年4月19日に放送されたBSスペシャル スーパーライブ、
いわゆる「BS中澤SP」での一枚の写真です。
とっても良い表情をして『愛の種』を歌う中澤・安倍・飯田、3人の写真です。

3人で歌った『愛の種』は5年経った今でも大切な思い出として、
モーニング娘。とのかけがえのない絆として、自分の記憶に残っています。
1曲にこれだけたくさんの思いがつまった歌を他に自分は知りません。

このとき歌った3人には、デビューするまでに苦労した出来事や、
デビューしてから3年間に経験した様々な思い出が胸中に去来したことでしょう。
また、それだけではありません。
自分達をデビューさせてくれた5万人の応援、
一緒にオーディションを受けて、落選したのに駆け付けてくれた合宿仲間、
いろいろと怒ったり相談にのってくれたスタッフたち、
そして、ここでは一緒に歌わなかった他の娘。メンバーたちの思い、
そんないろんなものを背負って歌っているのです。
あのときの3人の思いの強さを自分はきっと忘れないでしょう。
それだけ強烈な1曲でした。


さて、23日にサンシャインでおこなわれていた
カオリのクリスマスディナーショーで『愛の種』が歌われたそうです。
それも一人で歌ったわけではありません。
ゲストに迎えたなっちと共に歌ったというのです。
しかも往年のように生演奏で歌ったらしいのです。

この二人、『愛の種』を手売りしていた当時、スケジュール的には
一番きつかったメンバーです。
当時の二人はまだデビューも決まっていない素人さんで、
北海道の高校にそれぞれ通っていました。
普通に「通ってる」わけではありません。
時には朝飛行機に乗って、羽田から通うことだってあったのです。
日によっては学校終わりでそのまま千歳から飛行機に乗ることもありました。

今『愛の種』というと、
ただ単に「5万枚」という数字だけが大きくなってしまいましたが、
本当は「5万枚」という数字自体にはそんなに意味はないんですよね。

今では忘れ去られたことですが、
5万枚のCDにはポストカードと手書きのサインを入れていました。
この作業が大変なことで、なっちのエッセイ集の中にも
羽田に向かうモノレールの中で腱鞘炎になりながらも、
買ってくれる人のことを考えて必死に書いたと記されています。
それ以外にも、自分でビラを書いて配ったり、
学校の友達にハガキを出したり、
姐さんなんかは学園祭出演の交渉を自分でしにいったり、
なっちにいたっては室蘭市長と会ってしまったり、
…と、あの頃の私生活と合わせた活動を考えると寝る時間なんてほとんどなかったでしょう。
また、39度を超える熱があってもキャンペーンに出向いていたという話も残っています。

そういう「5万枚」を手売りする過程で得たものが彼女たちにとって
かけがえのない経験であり、忘れられない思い出なんですよね。
単に「5万枚売れたからデビューできてうれしい!」ってことが思い出ではないのですよ。

5万枚が完売したときカオリはこんなことを思い出したそうです。

「小学校2年の時の作文。わたしの夢は歌手になることです。って書いたその作文をまず思い出して、それから小学校の時に入ってた合唱団、2回落ちたオーディション、合宿も、ぜんぶ思い出しました」(『モーニング娘。5+3-1』P.109より)

また明日香は完売した当時のことをこう振り返っています。

「来てくれたお客さんと握手して「ありがとうございました!」ってやるのって、すごい体験をしたなぁと思いましたよ。だって、わざわざ足を運んでくれて、CD買ってくれるわけじゃないですか。わたしたちをデビューさせてやろうっていう人たちが、目の前にいるんですよ。その人たちとね、握手しながらもホント嬉しかったです。
 札幌では、カオリやなっちや石黒さんの家族とかが来てたんですよ。「なっち、がんばってー!」みたいに声援送ってて。なんか、あったかいなぁって気持ちになりましたよ」(『もうひとりの明日香』p.58より)
「そうやってね、この手売りツアーで大人のスタッフたちと頑張ったのは、すっごい心強かったですよ。今まで、学生の生活しかしたことがないわたしにしてみれば、新しい世界にいるわけだから、周りの子よりも恵まれてるなぁとも思いましたし。いろんな人たちと出会えたし。みんなで一緒の目標に向かって走るっていう。
 だから名古屋でもうすぐ完売っていう時に「あと5枚、4、3・・・」ってカウントダウンが始まって、すっごい、もう、こみあげてきましたよ、ホントに。いろんなスタッフへの思いとか、応援してくれる人たちとか、楽曲を作ってくれたサエキけんぞうさんと桜井鉄太郎さんとか、家族とか、メンバーとか、本当にもう、いろんな人への思いとかが合わさりましたね。
 ホントにね、これは思い出深かった。
 その夜は、もう、大騒ぎですよ、手羽先食べて。スタッフは飲みまくり。人数もいっぱいで、座敷とかもいっぱいいっぱいで、もうみんな酔っちゃってるから、大騒ぎになったりして」(『もうひとりの明日香』p.59より)

彩っぺにしても、服飾学校の入学金払ってもらったばかりで、ミシンも買ってもらって、
さらに彩っぺが学校に通いやすいようにと、家族ごと学校の近くに引っ越ししてるんですよ。
そういう背景で短大を辞めるかどうか悩んで、決めきれなくて…
両親に「覚悟が中途半端だ」と言われて最終的に学校を辞める決心をしたのです。
この決心ってのはホント勇気のいることだと思います。
成功しなければ、全部無駄にしてしまったという一生拭えないコンプレックスが
待っているわけですから。彩っぺは決心するの怖かったと思いますね…

…こういういろんなことがあって11月30日の『愛の種』の完売を迎えるのです。
わたしたちには分からない、とてつもなく大きな感情がそこにはあるはずです。
こうして一部分だけを聞いて想像しているだけでも、いろんなことが考えられるわけですから、メンバーたちのこの曲に対する思いは非常に深いものだと思います。



この日のディナーショーにおいて…なっちのディナーショーもそうだったのかな?
昨日書こうとしてやめた「ケンタのクリスマス」の話が出てたそうです。

この「ケンタのクリスマス」と『愛の種』は続いた話です。
『愛の種』手売り時からメンバーたちはビジネスホテル暮らしをしていましたが、
完売してデビュー曲のレコーディングして一旦帰省するまでが
続いた一つの物語として思い出となっているのです。

かなり昔に一回取り上げましたが、なっちが次のように語っています。

<これまでの歴史の中で、特に印象深い思い出は?の問いに>「モーニング娘。では『愛の種』のことが大きな思い出かな。今とはまったく違った環境で、まったく違う気持ちで活動して前に進んでいたから。そこから『モーニングコーヒー』までの時間って、すごく思い出されるな。その当時の風景がすごく懐かしくて、忘れちゃいけないんだって思う」(『ハロープロジェクト大百科』より)

姐さん・彩っぺ、なっち・カオリで二人部屋で暮らした冷蔵庫もないビジネスホテル。
友達とも恋人とも家族とも会えないクリスマス。
そんなホテルのロビーで見かけたクリスマスツリー。
誰ともなしに買いにいったケンタッキーのフライドチキン。

たまたまその日は仕事の都合で明日香が泊まりに来てたから…
明日香の部屋は荷物少ないし、ベッドも一つしか使わないから、
明日香の部屋に5人が集まった。

冷めてしまった食事、たわいもない会話、
仲が良いわけでもなく、たまたま偶然に集った5人。

話の内容も覚えてないようなクリスマスパーティーだったけど、
彼女たちにとっては一生残る思い出となったのです。
そのときの風景が忘れられないとメンバーたちは常々語っています。
いいですね、こういう景色だけで語れる思い出というのも。
語らなくても思いが伝わるというのはなかなかないことです…


さて、カオリのディナーショー。
なっちと一緒に
『サマーナイトタウン』
『Memory 青春の光』
『真夏の光線』
も歌ったそうです。
季節的には疑問を感じる選曲だけど、その曲を選んだ二人の意志が伝わってきますね。
(ここ最近の年長メンバーの扱いからしておそらく二人に暫定選曲権はあったと思う)
自分は、生演奏でやるからには初期の曲を選んでほしいし、
二人にもそういう思いがあったと思いたいです。
あとは『21世紀』とかやってくれたら言うことなしですね。


これを書くにあたってBS中澤SP『愛の種』の歌詞を見てて思ったのですが、
あの曲を作った当時は8年も経て、歌詞がさらに輝きを増すなんて思わなかったでしょうね。
あれほど初期のメンバーにぴったりの歌詞って素晴らしいですね。
まるで未来を知っていて作ったかのようです。
まったく流行の路線の曲を選ばないで、アイドル的歌謡曲を選んだ
当時のASAYANスタッフの英断に今の時代から感謝します。

捕足ですが、「モーニング娘。」命名後はいったんつんくの手から離れてます。
『愛の種』への世間の反応を見て急遽UFGは本腰になったので。
ちなみに、『愛の種』はレコーディング当日に歌詞の大幅直しをしています。

いろんな偶然が重なりあって、今あの曲は特別なものになっているのですね。
それにしても、セットリストを知っていれば…
行きたかった、クリスマスディナーショー…
『愛の種』聴きたかったな。



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(追記)
シャ乱Q再始動。(シャレモニ経由)

一昨日書いた和田さんとつんくの打ち合わせはこれですね。
春頃にメンバー会見って…それを期待していたわけじゃないんだけどなあ(ニガ笑
新メンバー加入してたりして(笑
しゅうじゃなくてね。