TBS『ジャスト』で彩っぺを見る。

表参道の街を紹介する彩っぺの姿が映っていた。

表参道・原宿近辺といったらモーニング娘。のメンバーたちにとっては仕事帰りの遊び場所。彩っぺも「昔メンバーとよく遊びにきてた」って番組の中で言っていた。
それにここいら辺は『愛の種』や『モーニングコーヒー』のPV撮影地でもあり、映画『モーニング刑事』のエンディングの撮影地でもある。

「青春の思い出と、これから思い出を作る場所」

彩っぺは番組の中でそう言っていた。

青春を過ごした表参道で、彩っぺは違う道を歩いている……近くて遠い並行した道を。

「青春」とはモーニング娘。。

明日香が辞めるときも、姐さんが辞めるときもモーニング娘。は「青春だった」と言っていた。

今週のテレビガイドになっちからの卒業メッセージが載っている。

「頑張ってきて良かった。今までいろいろなことに、目いっぱい頑張ってきたから、今こんなに大きくなれたんだなって思います。沢山のいろんな人に出会い、助けられ、愛をいっぱいもらって、汗いっぱいかいて、泣いたり、笑ったり…。『青春』をたくさん感じることが出来ました。言葉には表せないほどの大きな存在、それがモーニング娘。です。今後は自分に賭けてみようと思います。自分の歌を唄い、そして一生懸命表現者としての勉強をしながら一歩一歩進んで行きたいです」

「青春」とはモーニング娘。。

今存在する『Never Forget』が本当は『Memory 青春の光』という曲になるはずだった(当サイト「Never Forget考察」参照)。モーニング娘。解散曲用のタイトルとして『Memory 青春の光』が用意されていたんだ。
メンバーたちの「青春」とモーニング娘。の繋がりはそのときにできたんじゃないかと思う。明日香が「モーニング娘。は青春だった」と言ったのも曲のタイトルとは無関係じゃないはずだ。旧メンたちがメモ青とネバフォゲに特別な感情を持ち続けるのには、あの当事の思い出も含めモーニング娘。と青春を重ね合わせ「モーニング娘。」の存在を自分自身で再確認できるからだ。

過去のことや、昔の物語性をどうでもいいだなんて思わないでほしい。
今語られるなっちのメッセージは過去を知ろうとしなければ決してその深さは知ることができない。
もちろん触れられたくない過去は人間誰しもある。だけど、触れなければわからないこともいっぱいある。
何にも知ろうとしないこと、知ってても知らないふりをすること、知っててより深く知ろうとすること、どれが一番いいかなんてその状況によってそれぞれ。
でも、なっちのメッセージは過去を知らなければ「今」のメッセージとして生きてこない。「未来」への賭けが理解できない。だから自分は知りたいと思うんだ。何を伝えようとしているのか理解したいから。

それでなくてもモーニング娘。から物語性が失われつつある今、なっちが卒業時に語るメッセージには今後の「モーニング娘。のメンバーたち」にとって重要な意味があると思う。
「モーニング娘。」としてはもう何も意味がないかもしれないところが残念といえば残念だけど。


今日発売されたテレビ雑誌には他にもいろいろと興味深い発言が載っている。
テレビガイド・テレビジョン共に石川さん・小川・紺野の組み合わせのインタビュー。
特に石川さんが明らかに変わってきた感じで、受け継ぐ姿勢の強さが窺える。

『愛あらばIT'S ALL RIGHT』のなっちソロ、
 「そうさ時代はそれぞれいっぱい
  頑張って来たよね」
の部分、ここに石川さんは言及している。

「安倍さんが歌っていることもあって、余計に今までの歴史が鮮明に蘇るというか。あの時はあんな風に頑張ってたな…って。」(テレビガイドより)

番組が不愉快だったこともあってほとんど見なかった元旦のあの番組の歌部分を見直してみた。

ああ…気付かなかったよ。

なっちが「頑張ってきたよね」って歌ってメンバーたちの方を振り向いたとき、そこにいるのはカオリと矢口と石川さんだった、、、

「何度もくじけそうになったんですけど“いつも一生懸命だよね”って安倍さんに言われたことで気持ち的に楽になれました。ちゃんと見てくれている人がいるんだから、自分のペースで頑張ればいいんだって。そんな安倍さんたちが作り上げたモーニング娘。魂を、後輩たちに伝えていけるように頑張りますので、任せてください!」

「モーニング娘。魂」、この言葉を石川さんが選んで使ったことがなんだかうれしい。ときどきこの日記でも使ってたからね、この言葉。一言では現せないメンバーたちの思いを「モーニング娘。魂」という言葉にのせて、、、
石川さんのコメントからは「自分が受け継いだ」という自信が窺える。そしてそれを「伝えていきたい」と言っているんだ。

思えばなっちと石川さんはそんなに親しい関係とも言えなかったのに、随分とここ半年で変わった感じがする。
ドラマの撮影で過ごした二人っきりの時間が二人の仲を大きく進展させたと思いたい。待ち時間や移動の時間に交わした会話がきっかけとなり、やがてそれが貴重な財産となっていく。大勢で騒いでいるときには決して交わさない内容もあったはず。
関係が変わっていくこうした様子には、古き良きモーニング娘。がまだまだ残っていることがわかってうれしい。
単純に「仲がいい」「仲が悪い」って関係ではなく、影響しあえるというか、あるいはライバル心というか、言葉では言い現し難いそれこそ「モーニング娘。魂」のぶつかり合いとでもいうか、とにかくそんなものを久しぶりに見たような気がするんだ。

また、亀井のひとことメッセージにはやはりなっちが歌った「『そうさ時代は〜』の詞が好きです」と載っている(テレビガイド)。
先週のテレビジョンに載ったポップジャム収録時の写真、なっちが卒業するにあたってのコメントを喋っているときの亀井のうつむき加減で泣きそうな表情を思い出すと、ここにもちゃんと物語は出来ているのかなあと、、、
さくら組を始めた頃にはただ「安倍さん、いろいろと教えてください」って言ってただけだったのに、だいぶ変わったなあと。少なくとも詞の意味を考えて、「好きです」って自己主張が出るようになった。それだけでもかなりの変化で、そういう自己主張の重要性をわかっているのはやはり上のメンバーたちなわけで、少しかもしれないけどなっちは6期のメンバーにも影響を与えることができたみたいだ。

インタビューで小川はこんなことを言っている。

「(“しょい”をやるときに)安倍さんがそこでよく『愛ある歌を歌おう』って言ってたんですよ。で、こないだの番組収録のとき、その気持ちが本当にひとつになった気がして。だから安倍さんが卒業しても娘。は愛ある歌を歌い続けたいなって、今は心から感じます」(テレビジョン)

こういう言葉は今まで4期以降のメンバーからはほとんど皆無に近いくらい聞けなかった。とにかく「〜がしたい」とか能動的な意志を感じられなかったから、今こういう言葉が聞けることが本当にうれしい。

紺野はこう。

「安倍さんに教えてもらったことを、今度は5期の私たちも後輩に伝えていけるように頑張らなきゃ」(テレビジョン)

これまた石川さんや小川とは違った感じ。
石川さんは「受け継ぎ」が終わって「伝える」側にまわろうとしているのに対して、紺野はまだ受け継ぎきってない。「伝える」側にはまだなっていない。でも「伝える」側になりたいというところまではいっている。そんな状態が見え隠れして面白い。

こういうメンバーの関係性を見れることが自分にとっては今のモーニング娘。では何よりも楽しみなわけで、これだけモーニング娘。のインタビューを読んで面白い部分があったのはDo it! Now以来じゃないかなあ。

これから順次発売される雑誌が楽しみになってきた。
他の雑誌では違う組み合わせでインタビューを受けているだろうしね、注目です。